【現代の日本に、戸籍を持たない人が1万人以上いることを知っていますか?】何らかの理由で出生届が出されず、存在が行政に登録されないまま、もしくは把握されないまま「無戸籍」で生きている人たち。それが「無戸籍者」です。なぜ、無戸籍になってしまうのか? なぜ、無戸籍者は生まれ続けるのか? なぜ、この状況が解消されないのか? 自らの子供も法の規定により無戸籍となった経験を持ち、それ以来13年にわたって無戸籍者とその家族たちを支援しつづけてきた著者だからこそ書くことができた無戸籍者たちが生きてきた厳しい状況と 無戸籍者が生まれ続けてしまう原因と問題の背景を深く掘り下げたノンフィクション作品、それが本書です。著者もスタッフとして加わり、無戸籍者たちのリアルな姿が広く世に知られるきっかけとして大きな反響を呼んだ NHK『クローズアップ現代』《戸籍のない子どもたち》は、2015年「貧困ジャーナリズム大賞」を受賞しました。本書では、番組では紹介できなかった無戸籍者たちの思いや番組放送後に無戸籍者それぞれにおきた状況変化についてもくわしく書いています。無戸籍問題が起きる要因とも関連があり100年以上改正されないままになっている民法の離婚後再婚期間については、先日、最高裁判所が違憲判決を出しましたが、無戸籍問題の根本的な解決には、まだまだ超えなくてはいけない多くのハードルがあります。「貧困」「虐待」「いじめ」「所在不明児」「少年犯罪」…子どもをめぐるさまざまな問題にもかかわる無戸籍問題。解決への道は、何よりもまず、現実を知ることからはじまるのです。