いじめのトラウマを抱えているとか、精神的な強さがほしいと願う女の子に、特にオススメしたい話。レディース(女の不良)の話なんですが…主人公あすかは、小学生時代は元優等生、いじめを苦に自殺未遂した経験、その後に親友との出会いを契機に不良グル
ープに入り、体格は小柄ながらも(…喧嘩でも武道でも、闘いの場面では、背が小さいことや体重が軽いことは、極めて不利な要素になりがちです。つまり、ナメられる要素になりがちということ。主人公あすかがチビと言われ気にするのはこの辺の事情が大きいでしょう)…それにも関わらず、本質的な優秀さとカリスマ性と知性も相まって…女不良の巨大な組織のなかでみるみる頭角をあらわすあすかですが、…本質的には邪なものに染まれない彼女。聡明で、正直でシャイなために悪態を示しながらも本当は誰より仲間思いだったりする、優しくて繊細な性格と、まっすぐな気性により…。彼女は不良グループに属し続けられずに…一匹狼気質(でも、実力と人間的な魅力ゆえに慕う者が多い)●●説明が長くなりましたが…そんな、主人公あすかというキャラもあり、「世界観がわかりづらい不良のお話」として片付けられるのは非常に惜しい作品です。 どうしても、初版版は私よりさらに上の世代の世界観で作られた話がベースになっているため(レディースがわんさかいたような昭和中盤の話)、現代版に直したとしても…変えられない部分もありますから、ギャップを感じてしまう人もいるかもしれません(かえって旧作「花のあすか組」とセットで「新・花のあすか組」を読んだほうが、話にのめり込み易くなるかもしれませんね)。作品として、どう書評すればいいのか悩みますが、埋もれてほしくない作品です。 話の始めのほうで、あすかという主人公が、携帯のメールを拒んだような態度を一貫して示しています。これは…この意味は、ただ単に「頭が固い」とか「社交的でない」とかではなくて、「あすかというキャラに託されたメッセージ」精神的に大人になるほど、わかってくると思います。 マンガでありながら、現代という社会への批判…私たちは大切なものを見失いかけていないか?そういう疑問を提起するような側面もあるお話なんですよね。 埋もれるには惜しい作品として、オススメというか…支持したいです。
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