軽快で楽しめました。
ヒロインは当初彼にとり、彼の目が見えないでいる間の丁度いい人間にしか過ぎませんでした。
私は年齢云々を全面に出されると内心「ケッ」って気持ちもあるにはあるんですが、この話は年齢問題が中心になって動いてい
るため、そこはまぁ仕方がないかと諦め読み始めました。
冷めたことを言わせてもらえば、突然職場を離れるヒロインの会社は、彼女がいなくても平気なのかしら、職場のリーダー(主任)居なくても彼の会社はやってけるとは、人員は余裕なんだな、という様な不思議さとかは確かにあります。その上この話のあと、彼女の会社での席は一体どうなるのでしょう。もう仕事に復帰なし?有能な人間なのに。。。
脱線はさておき、ヒロインは手際がよくて機転が利いて、相手の心境を見抜き配慮のある言動がとれる、といった、大変頼もしい大人の女性です。
三人の妹を育て上げ嫁にやる、という偉業を細腕一本でやってのけるだけの素晴らしい女性です。部下をかばって上司にすぐ掛け合いにいくというような、親分肌が気持ちいいリーダーなのです。こんな上司(主任という名の中間管理職)なら、そのさらに上の新しい上司に泣かされた部下にしたって、働きやすい良い職場だったに違いありません。ことほどさように申し分のないヒロインを、いうなれば、他の人は体よく利用してる、言葉を代えれば頼りにしてる、そこが、ストーリーの肝です。
妹が頼りにするのはもとより、新しいボスなどスカウトした位ですから、他人様から重宝にされている魅力がよく理解されてまいります。
こういう、押しつけないのに世話焼きが上手い、といったようなヒロインは、容姿を眼で見れないペンにしてみれば、年齢問題がひっかるかものの(人間の本音でしょうから)、いつの間にか親権問題の最有力の助太刀期待高まります。
憎めない無邪気さと、現実主義を併せ持ったペンは、天然にヒロインを傷つけ、ヒロインの本気が受け止められなかったことが彼女への決定的な打撃となりました。
いい加減気づいてほしいです、触って、声を聞き、ひとつ屋根で暮らし、思春期のこどもの会話をし、目が見える人とはいつでも接している。彼女の様子などいくらでもを聞けるのに。聞かなくていいのか。それも、お話ですから、そんなのは、枝葉末節かもしれません。
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