許せないことなどない、許したくないだけ。けれども、苦しい感情はどう処理するべきか、最大の案件だ。弟の不実によってもたらされた不幸をその身に受け独り暮らしのジェドのもとに義妹であるセアラが借金の申し込みに来たことで物語は始まる。セアラだけなら
まだしも、憎い弟の子供が2人、3人目はお腹にいる。ジェドではなくても頭に血が上るのは必定だが、事故で記憶を失い、セアラへの偏見を取り除くことで、弟と切り離して彼女を見、冷静に判断させるという展開を見せている。クライマックスではセアラの実母が登場するが、あまり意味を持たない気がする。18歳で禄でもない男と結婚し子供をもうけるという失態の原因を説明したいがための事象と読めるが、セアラは子供に愛情をもって接し育てている現状において必要を感じない。それよりも、弟チャンスの悪行のせいでセアラ自身をも同一とみられたくないという葛藤にページを割いてもらいたかったと感じるのは私の勝手な言い分だが、ロマンスの為にも、ジェドに相応しくありたいとかという方向に書いてあればと残念に思う。
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