(1)の面白さを(2)はどの程度引継げるのと思いましたが、こちらも楽しめて両ストーリーの繋がりが物語世界の奥行きを拡げてくれました。
絵が美しくまた可愛らしく、そして丁寧に貴族の雰囲気も描かれ、作品のビジュアル申し分なし。男性は素敵に、女
性は清潔感があって、二人のシーンはとても優美。登場人物それぞれの描き分けもしっかりあって、コミックとして高水準なので、実は話の展開は(1)ほどのインパクトはないのですが、頁をめくること自体を味わえました。
好きな気持ち、かかえる事情、恋愛感情の溢れ出るシーンの甘美さとシビアな現実を写すお金の話、背景としてしっかり描写されているところがいいです。
ヒロイン弟への一喝、そしてお父上と対決したシーンの決然とした姿、ヒロインの相手として文句なしです。ヒロインがそのニックのもとに戻る瞬間がないのと、振り返って「長い」道のりだった、というところは、「?」もありますが、大きな問題じゃありません。
惜しまれるのは、爵位のこと。複数の貴族が登場するなら、貴族の爵位の明確さが必要です。HQに誤字が多い残念さはもともと認識してはいましたが、ここでは公爵と侯爵との混在が混乱を招く。個々人の地位、異なる複数の爵位の線引きが判るところがコマの片隅にでもあったらと思いました。台詞のなかには含まれていますがー
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