冷たい結婚かと思ったらそうではなかった。
むしろ、熱い結婚だった。
きっかけは冷静そうなのに、実は感情に裏打ちされていた。
このストーリーはあっさり過ぎるくらいで、簡単に読めてしまう。そんなあっさり仕上げよりも、じっくり丹念にコマ
の隅々まで眺め、遠巻きにせずに、入り込んで浸りきりたい私には、物足りなさは結構あった。
それに、盗難に遭った絵画はついに未解決、きっかけだけだったのか?と、余計にストーリーが深まりを見せなかったことに何か置き忘れ感まで残る。あれほど、絵の盗難事件に対して、見つけたらただじゃおかない、みたいになっていたら、誰しも、それはどうなるのかって、気にするだろう。探さないにしても、それは、ヒロインが話をしに行って終わり、というのでもなかろう。
そして、めでたしめでたし、なんだけども、騒ぐだけ騒いだものは結局全て、ただのお騒がせに。
幸せなのはいいけれどー
今読み返してから補足したくなったので以下に追加記載。
「そんなものいらないわ/あなたがいれば/他になにも・・/いらないのよ」
ヒロインの切なる叫びが、心の底からの居て欲しい発言の重みが、彼を「闘い」に立ち向かわせる。
このシーンは、台詞だけだと多少クサイ感があるが、ストーリーの中では、ヒロインの彼を愛する気持ちが最も強く現れ出ていていい。あの流れでは、彼も勇気を得たのがよくわかる。
ということで、初回星四つにしたが、再読後の味わいを上乗せし、4.5超に感じているので星五つに上方修正。
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