人妻になる女性をいい女だと思いながら仕事の話をしていたレイフは、その後の彼女にすっかり巻き込まれていく。
しかし、知れば知るほど、数多の美女には持ち得なかった感情を抱くようになり、アバンチュール気分がいつの間にやら 本気モードへスイッチ。
終わりにしたくない気持ち満々で何度冷たく交わされても追いかける。
素晴らしい!
一方ヒロインは、途中で降りていく男性ばかりの自分の人生に男性はもう要らないと。
彼のご執心ぶりが、女性として読んでいて心地良かった。いかにもモテます、女性の扱い慣れてます、才能溢れるフリーカメラマンです、クリエイティブな事にはこだわりあります、結婚しなかったのは結婚観が真面目だからです、行動するときはフットワーク軽く動きます、と、まあ女性なら一度は素敵だと感じてしまう要素に富んでいるレイフ。
そんな男性を追いかけさせるヒロインの颯爽とした物言いと姿勢。どちらもカッコいい。
けれど、ヒロインのその裏にある傷ついた心に触れて、彼女の震える肩に気付けてるのはレイフだけ。秘密を打ち明けられる相手、聞き役として最高の癒しとして、傷心旅行が穏やかな現実逃避に置き換わった。守りたいとする彼の感情、それが立ち上がってくるのを自覚して彼の遊びモードが消えた。
現実に無い分、少女漫画でも根強いジャンルである、プレイボーイ陥落ストーリー。
陥落後のイザベルへのレイフの寄せは見事だった。
ミスターモノクロは、彼女のいる世界の色鮮やかな美しさに気付き、ミスターカラフルへ、自らのアートスタイルの変更を躊躇なく行って、断らずともプレイボーイ返上。
HQってこういう丁度いい軽さと明るさと、でも、少しだけ何かを掬い取ってくれる話が有って、ほっとする。
セットで読んでいるが、もうひとつのストーリーで取り残されたはうの解決とが「セット」となり、座りはいいと私は思うが、そのアナザーカップルに対して価値観の相違から快く思わない人は居るため、そんな人はこちらだけにしておくのが無難かもしれない。
もっとみる▼