ゲイの弟と姉
弟思いの姉ちゃんがゲイの弟を心配するお話。姉の愛さえ痛い弟。
BLというよりは家族物。姉弟の性格が根暗なせいか始終沈んだテンポで進みますが、バッドエンドではないと思う。
主人公(ゲイ)は六人兄弟の長男
BL
……ではないなあ。
ゲイであることへの自責の念。妹弟達への責任感。決して器用ではない長男の本音「俺だってチョコレートがほしかった!」
BLものの裏話と見れば実に奥深い。
ヤクザの親分の娘と親分の親友だった男
※直接的ではないけど暴力描写があるので苦手な方は注意
「親友」に準じた男の慕情。
娘が実に男前。
変態M男子からノンケのS男子へ、永遠に平行線の恋心(表題作)
個人的にこれが一番好き。
初っ端の罵倒の凄まじさと、その反応でだいたい二人の関係が把握出来てしまう。
永遠に交わらないことを理解しているからこその二神の斜め上を行く反応と、それに苛立つ「まとも」な中頭。
ラスト間近のモノローグが秀逸。
奔放男子と文学少年
BL作品にはあって当たり前なモノローグが何故か封じられている。
夏の図書室、窓の外の蝉。むせ返るような熱気。
モノローグなしでも不思議と雄弁。
二人の初々しいやりとりを純粋に楽しむお話かな?
ゲイの青年と幼なじみのバカ
主人公が幼なじみをこれでもかというくらいバカ呼ばわり。でもベタ惚れ。でも実際バカな幼なじみに地雷を踏まれまくり。
振り回され主人公の豹変ぶりとバカの自覚。
主人公とバカ、二人のやりとりが楽しい。
うっかりデリヘル物語
ダウナー系デリヘルボーイとノンケの青年。
短いショートギャグ。
読んでから結構たつのにここまでそらで書けたことに驚き。
そのくらい印象的だった短編集です。
だいたい一話一パックで、気になるお話だけ選んで買える親切設計。
六話めだけ、にかかって収録されています。
人にすすめられて読んだ作家さんだったのですが、これが大当たり。
お値段も手頃でいい買い物が出来ました。
ただ、一般的なBL作品とはいい難い作品集なので、そういうのを期待して読むと肩透かしを食らいます。
BLをちょっと違った切り口から読んでみたいという方には声を大にしてオススメします。
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