ある日おすすめに出てきて、タイトルと温かい雰囲気の表紙に惹かれたこと、また評価が高いこともあり、ずっと気になっていた漫画でした。読んだところ、他の読者さんのレビューにもあるように、色々と考えさせられた内容でした。
この本は、年月が経っても
ずっと高校生のままのロボットの女の子『ヒロちゃん』と、年月が経つとともに身体が成長していく人間の女性『チカちゃん』の2人の物語です。ジャンルは百合ですが、過激なシーンはなく、仲睦まじい2人の様子が見られます。
みなさんは、ロボットは人間のように成長すると思いますか? この本を読む前の私の答えは「思わない」でした。ヒロちゃんと同じ高校生になったチカちゃんの言葉にも「この先の時間はどんどんヒロちゃんを置いていってしまう」とあります。高校生のチカちゃんの言葉のように、ロボットが成長するなんてほとんどの人は思わないでしょう。しかしこの本では、ロボットのヒロちゃんの『人になる』成長が描かれています。
詳しい内容は省きますが、『ロボットは成長しない』という考えを覆し、ヒロちゃんは人間のチカちゃんと共に成長していきます。人間のチカちゃんの『大人になる』成長と、ロボットのヒロちゃんの『人になる』成長。この作品はチカちゃんとヒロちゃんの2人の成長の物語です。
時折専門用語が出てきたり、ヒロちゃんの研究者がロボットについて解説している場面が多く見られましたが、作者の西さんがこの物語の世界観や、キャラクターについて細かい設定をされていることが伝わりました。
最近は人工知能やバーチャルアシスタントが話題になっていますが、いつか遠くない未来、私たち人間にもロボットを愛する、人生を伴にする時代がやってくるのでしょうか。
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