何かの投稿で(つまり多分実話)配偶者の死後、悲嘆にくれている真っ只中に関係を持ってしまった、というのを読んだことがある。それを引きずっての打ち明け話的な?
寂しさ、苦しみ、後悔、いろいろあるんだとは思う。そして、人間は慰めているうちに、と
いう心境に至ることはあるらしいと、その時理解した。
ただし、私にはそれがロッククライミングというのが引っ掛かる。スポーツ少女にも見えないし、いくら親友の誘いでも、どれだけアクティブな人間でも、訓練はおろか経験さえろくに積んでないで、そこでそれ? そんな俄かロッククライマーで危険な実践する? 無謀を通り越してる。仲間達の前での勇者ぶりをアピールする様な子どもでもない年齢だ。
恋人だろうが親友だろうが、引き留めることの方が多い大変なチャレンジだと思う。MI:じゃないのだから。
百歩譲っても、横領犯の後日談も物凄くご都合主義で、実質二人の恋愛物語。冒険と盗難との組み合わせでキテレツ狙いなのか?
それはそうと、執事みたいな秘書?みたいのが男性だけれど、接してる時間数気になる。
ほんとはお互い好きだったけれど、余りにも身近な人の死が、そして二人には「行かなきゃよかった 」「行かせなきゃよかった」的な、その原因が妨げていた。遠ざかるしかなかった。
なんだ、持ち逃げ犯はキュービットだったじゃない、おまけに手つかずでお金も取り戻せそうだし、良かったね、という話。
心情は、どちらの方のも共に理解できた。
勝手な動きに見えるけれど、私には、そこまで唐突な「契約婚」とは思えなかった。
彼からの解除申し入れの言葉には胸を打たれた。
修復師と再生事業のプロ、選ぶ職業も似て、家に対するこだわりも共通して、似た者夫婦になるかと思う。
亡くなった人間の最後の言葉をああいう形でストーリーを縛るのは、無理感もあるが、その一方で、罪悪感を相殺させているピースなため、こういう二人の結び付き、出会いの時に感じたヒロインの感情を読後感に読み手にしこらせず良かったかとは思う。
楔となった部分もあり、鎹となった部分でもあり、こんなひとことの罪深さ。受け取り方使い方なんだと思った。
サプライズ結婚の強行の中のシーン、不自然なはずなのに、なかなかキレイに収まっていた。
ロッククライミングの事故後シーン、もう少し、という気がした。
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