モビルスーツに関する描写/設定に関しては、ガンダムエース掲載作品だけあり詳細まで考え抜かれていると感じ、満足できる内容である。
他作品のクロスオーバーについては、過去の0083やZZ、そして同時期という設定のUCの人物が登場し、ほどほどの
役回りで活躍している。ただもう少しキーキャラになっても良かったと思う。
一番稚拙だと感じるのが登場人物の多さである。本来モブキャラでも良いような人物さえご丁寧に名前と年齢を紹介しているが、全6巻30話というボリュームの割に多すぎで、ほとんどの人物の深い部分を描ききれないまま作品が終結してしまうため、読後感が非常に薄い。最も酷いのはレイブン隊がなぜ反逆したのか、隊長のピコとロックの関係やピコが何故あんなにナイトロを憎んでいるのかがこの事件の発端であるに関わらず、ほぼ何も描写が無い点である。物語の根幹な部分なので数話割いてでも書くべきであった。適切な登場人物数とそれぞれのキャラクターの深いところまでしっかり描き切っているバンデシネの爪の垢を煎じて飲んで欲しい。
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