君の隣で揺られて
」のレビュー

君の隣で揺られて

にやま

優しいヒューマンドラマ

ネタバレ
2021年8月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家さん買いです。本社からワケありな異動をしてきた椎名は、ゲイである丹羽のタイプ。通勤途中、早朝のバス停で見かけ、パニック障害を患っていることを知り、少しの下心と親切心から椎名と一緒にバス通勤し優しく寄り添う。ゆっくり丁寧な展開で、二人の距離が縮まっていくのがじんわりと心に響いて心地良い。エロ無しだけどそれが自然で作品に合っている。番外編でお付き合いを始めてしばらく時間が経った二人が描かれ、そこにエロ少し。優しい気分に浸れる作品。同じマイノリティなのにフラれた腹いせに丹羽がゲイと暴露し、彼のお人好しに付け込んでネチネチ虐めるお子ちゃま佐川も、呆れた薄目笑いで流せるのは本作が纏う柔らかな雰囲気のせいかな。他短編は、転校してきた相田と、誰も寄せ付けない一匹狼でミステリアスな雰囲気のある白神のDKモノ。こちらも和める物語。満足の一冊です。
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