茅島氏の優雅な生活
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茅島氏の優雅な生活

遠野春日/日高ショーコ

不思議な台詞が矛盾なく存在する世界がある

ネタバレ
2023年2月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品中に流れている空気は、常にタイトル通り優雅で気品溢れるノーブルなもので、内容も庶民とはかけ離れている世界の話が殆どであるのに、何故か興味を引かれます。購入のきっかけは、遠野先生と日高先生のどちらも大ファンだからです。コミカライズもされていて、3巻も出ているなら面白いに違いないと読み始めましたが、正直に白状すると…実は少し読み進めた所であまりにスローテンポな流れと、この先何か起こりそうな気配もなかった事から、人生初のリタイアを考えました。本来なら作家さん買いしたらあり得ないんですが、あまりの先行き不透明感に遠い目になりかけたんです。そんな事が頭をよぎりかけた辺りでストーリーの要として重要な展開があり、あの迷いが嘘みたいに面白くなりました。多分、先生の伏線なのでしょうけど、突然の展開が突飛というか寝耳に水というか、予想もしない方向に行くので面白かったし、そこから茅島ワールドにハマってしまいました。茅島ワールドとは「探しているものがあるのだか、それが何かわからなくて迷っている」というセリフが、一切の矛盾なく存在する世界です。これが本当に不思議で、読み始めて少しでリタイアしかけたのに、ハマってしまえば面白くてあっという間に読んでしまいました。そうは言っても取り立てて特別な事は何も起こらないので、熱愛・溺愛・ミステリ・サスペンスなど刺激のある作品を好む人には向かないかもしれません。3巻のラストで『金曜紳士倶楽部』との繋がりも見えて、手持ちに控えているのでそちらも読むのが楽しみになりましたし、『金曜〜』には茅島氏が出てくるのかなと思うとワクワクします。
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