葬送のフリーレン
」のレビュー

葬送のフリーレン

山田鐘人/アベツカサ

生きているということは…

ネタバレ
2025年9月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 生きているということは誰かに知ってもらって覚えていてもらうことだ。」(中略)「ほんの少しでいい。誰かの人生を変えてあげればいい。きっとそれだけで十分なんだ。」

作中の名言の1つだが、このセリフこそこの物語の根幹を成している部分だと感じた。

エルフという長命種ゆえに感情に乏しかったフリーレンが、共に旅をして魔王討伐の仲間だった勇者ヒンメルの死去によって人をもっと深く知ろうとしなかったことを後悔し、人を知るために新たに旅に出る物語。

大人になって人との距離感が分かってくると、人と距離をとって衝突することすら避けるようになる中、フリーレンは旅先で出会う人々に少し踏み込んでいき、どうしょうもない役に立たなさそうな魔導書と引き換えに人助けをしていく。勇者ヒンメルならきっとそうしただろうから。

個性豊かなキャラたち、名言の多いセリフとストーリー、思わずちょっと笑ってしまう他愛のない日常風景、心理的駆け引きがドキドキする戦闘シーン、どの部分をとっても魅力的な作品です!
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