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リハーサル

ARUKU

優彦が少し羨ましい

ネタバレ
2025年10月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ARUKU先生の短編。1話完結の読み切りです。
主人公は町医者の息子・優彦。ある夏の日、隣家に住む幼馴染みの紡が彼のもとを訪れ、とんでもないことを言い出します。自分の葬式のリハーサルをして欲しいと。しかし、紡は現在重い病気で入院しているはず…。

拝読しながらまた泣いてしまった…。ARUKU先生の作品は涙なしには読めない気がします。
私は今まで夢中になった作品のテーマ柄、登場人物の死にはだいぶ耐性が付いている方だと思っていたのですが…。ARUKU先生の作品を手に取るようになり、それは思い込みだったんだなぁと強く実感。

優彦と紡、物心ついた頃から側にいた二人。紡のことが好きだった優彦。彼らの人生が、31ページの中にギュッと詰め込まれています。
淡々と進んでいく物語だからこそ余計に、その深い内容、そして一日一日の大切さが心に沁みていく気がしました。

ハッピーエンドかどうかは、もしかしたら読み手の受け取り方で変わってくるかもしれません。
私は純粋に優彦が羨ましいなと。私にもまた逢いたい人たくさんいるよ…。

ひまわりが咲く時期になるたび、このお話をきっと思い出してしまうだろうな。
切なくも優しい、どこかあったかい作品でした。
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