潔く柔く
」のレビュー

潔く柔く

いくえみ綾

作者さんの真髄だと思います。

ネタバレ
2025年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ いくえみ綾先生の画やストーリー、雰囲気など全てが好きで、たくさん読んできましたが、やはりこの作品が最高傑作だと思います。
人間は、みな、何気ない日常の中に、小さなものから大きなものまで色々な罪を背負い、魂を宿して生きています。過去から現在まで終始、それをテーマに描かれています。一番の見どころは、禄に再会したむつみが初めて喋る場面でしょう。むつみの少女らしいあどけない表情と禄にずっと会いたかったという気持ちまでもが完璧に描かれていると思います。ただ、このシーンや前後だけ読んでも感動できません。1話からの積み重ねがあってこそ、映えるシーンだと思います。私は初めてこのシーンを読んだときにむつみの表情に泣きました。ワンシーンにこのストーリーの全てが含まれていると思います。また、登場人物も、誰もが誰かにとっても嫌なやつでもあり、良いやつでもある。リアルな人間関係を描かれています。カンナは主人公で美女設定ですが、読者目線でも、ただの良い子ではなく、ちゃんと嫌な部分も持っていて、人間らしさに共感できます。
1話から順に読んでいき、最終巻の表紙だけカンナと禄が2人揃って描かれているのも、さすがいくえみ綾先生です。読者の心を分かっているなと思いました。
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