哀悼する君へ【タテヨミ】
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哀悼する君へ【タテヨミ】

DYULNG/49/whiteapril

「哀悼する君へ」〜哀悼するのは?

ネタバレ
2025年10月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ よくある、生まれ変わり?からのハピエンだと思って読み始めました。ただ、生まれ変わりをどう信じてもらえるのか。そもそも姿形も全く違う、さらに生き返った肉体の持ち主は生前の自分とは真逆のかなり荒れた生活をしていた人。その中でどうしても元の自分を慕ってくれていた後輩と以前のような関係を築きたい。でもなかなかうまくいかず。という葛藤などがとても丁寧に描かれているので、単なる生まれ変わりからの恋愛、というものでは全くありませんでした。二人の家庭環境や過去もかなり複雑に絡み合うことも、ハラハラする要因でした。好きな人を喪うということ、さらに生まれ変わったらその肉体の持ち主の精神はどこにあるのか、それもかなり克明に描かれ、一種の哲学のようで、かなり考えさせられました。そして「哀悼する君」とはいったい誰なのか。それも想定外でした。胸をきる切なさとかなり熱い愛とオトナの肌色と。存分に堪能できる作品です。
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