おかえり水平線
」のレビュー

おかえり水平線

渡部大羊

等身大の高校生たち

ネタバレ
2025年10月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 少年ジャンプ+で連載中の少年漫画。じわじわ売れている作品なので気になっていたところ、読ませていただいたレビューが後押しとなり、購入。とても良かった!
CREA夜ふかし漫画大賞6位。(この漫画大賞、気になる受賞作品ばかりで、2位の「壇蜜」も読んでみたい…壇蜜日記大好き)。

港近くの古い銭湯、柿の湯。その銭湯の窓からは、まるで額縁に収められたかのような、海が見える。
祖父と高校生の遼馬が営む銭湯に、父の隠し子を名乗る玲臣が訪れてきたことから始まる高校生群像劇。

無理に人と馴染まない遼馬も、親の勝手で割を食いながらも淡々とした玲臣も、割を食いながら自分を強く持ち居場所を決めた秋野さんも、とても良かった。

ジャンプラは、等身大の少年少女を新しい感性で描いた良作を多く輩出しているイメージがある。人の心の、繊細でデリケートな部分を、当たり前なこととして受け止めてくれる「普通」の輝き。とっくに成人し最早ゴニョゴニョ…な年代の自分も、おおいに救われたりしています。

2巻は11月4日発売。ジャンプラで読んだ感じでは、おじいちゃんがまた良くて…。
年を重ね、いつか自分もこんな風になれるだろうか。
課外授業や文化祭など、クラスメイトの出番も増えてきて面白そう。2巻も楽しみです。
いいねしたユーザ8人
レビューをシェアしよう!