このレビューはネタバレを含みます▼
眼鏡美人と眼鏡イケメンの、眼鏡を介した恋のお話。
優しい文体で、すらすら読めて楽しいBL小説だった!
眼鏡フェチで眼鏡店勤務の一咲(イサキ)は、いつも眼鏡好きが高じて振られてしまう、残念な眼鏡美人(伊達)。
天然気味でかわいくて、なんだかとっても癒されちゃう。
とにかく眼鏡が好きで、眼鏡を愛している。
眼鏡に対するこだわりからは眼鏡への敬意を感じ、眼鏡に対する慈愛のこもった真摯な姿勢は全くブレることがない。
一咲と二度も偶然に出会う京(ケイ)は、会社員の傍ら料理動画「適当セルフ飯」を、黒縁眼鏡に大きな赤い鼻とカイゼル髭で配信している、眼鏡イケメン。しかもイケボ。
気さくでお喋りの楽しい彼はリスナーからも愛されている。
ちょっとヘタレで優しくて、勘違いしながら一咲に恋していく姿にはキュンキュンしちゃうし応援しちゃう。
ゲイとノンケの恋なので、乗り越えなくちゃいけない問題が出てくるのだけれど、そこでくるタイトルがすごく良かった。これは言われて嬉しいと思う。
眼鏡美人、しかし中身はふわふわな一咲だけど、要所要所で男気があって、読者も惚れる。
肌に触れていく一連のシーンもすごく良くて、一咲のかわいらしさと京の優しい口調と昂りに、とってもドキドキ。
京を逃げ腰ヘタレにした過去の原因も、最終的に霞んでいくほどに幸せなふたりが微笑ましい。額がぶつかって笑い合うシーンがとても素敵だった。
最後の最後まで眼鏡を介する、とても面白くて楽しくて、幸せになれる作品でした。眼鏡欲しい!