このレビューはネタバレを含みます▼
いろんなマンガを読みましたが、無人島に1冊持っていくなら、この作品にします! 愛! 愛しかない! そして作中のふたりも愛しかない!
お互いがお互いを想ってる、というマンガは数あれど、命を結んでまで愛し合ってるというのは、なかなかないのではないでしょうか? しかも二人とも、幼稚園児からの両片想いとは。愛がくそデカすぎて、目眩がしそうです。アンナの体質のせいで、ふたりの命は繋がれたんですけど、作中の言葉で言えば、「愛されたいみつる」と「愛したいアンナ」。二人の相性はバッチリ。バイターだったために、孤独な人生を歩んできたアンナの気持ちはわかりやすいんですけど、みつるの気持ちはわかりにくいですよね? みつるは自己完結型。自分のことは自分で決めるしかない。つまりまた、みつるも平気そうな顔をして、ずっと孤独だったわけです。
なので、愛されたかったみつるはアンナの激重執着愛を受け入れ、アンナもみつるの激重執着愛を受け入れるのでした。
※とにかく絵が綺麗です! 特筆に値する美しさ。背景までの書き込み、スタイリッシュなアクションシーン、艶やかなベッドシーン、そしてすごいなぁと思うのが、みつるの髪をベタだけで済ませないところ! すごい! 逆にアンナの方が省略されてる!
※設定もすごい。いろんなバースものがありますが、独自の”バイターバース”とも言える世界観。簡単に言えば吸血鬼なんですけど、練られた共生関係。バイターの世界では、ひとりの人間から吸血しすぎると、その人間の命を守るために、バイターの血を人間に与えることができる。ふむふむ。ところがそれをやってしまうと、共生契約関係になり、お互いの血なしでは生きていけなくなる。バイターはその人間の血しか受け付けなくなるし、人間はバイターの血が代謝で減っていくと貧血からなる臓器不全になってしまう、というここでも激重設定。つまり、どちらかが死ぬと、どちらかも死ぬしかない。この契約をふたりは交わしたわけです。
※Hシーン、濃厚。ただし、ミナヅキ先生は余計なコマは省く主義らしく見えて、ダラダラとしたHは描かれていません。ただ、2ヶ月に1度、血液交換をする時と半年に1度の繁殖期は、吸血される/すると、そういう気持ちになってしまうという設定から、Hシーンは逃れられません。Hシーンが苦手な方には残念ながら辛いかもしれません。
続刊を期待してます!