このレビューはネタバレを含みます▼
タイトルの響きで表紙が目にとまる。作者はやん先生!はい、購入リスト入り。
公務員の鴇田紘一(ときた こういち)は40代。課長まで昇進したものの結婚生活が破局。離婚の痛みはまだ指輪に残っている。職場で呻きのような痛みが体を這った時、あでやかな花と緑の造形美が目にはいる。京都を拠点にしている梶木圭(かじき けい)の作品だった
鴇田に話しかける短髪、眼鏡で体躯のよい梶木。爽やかでやわらかな物腰。しかも華道家として活躍する切れ者。東京で息苦しさを抱えている鴇田を京都へ誘う。大人な雰囲気の梶木だが、バーで酔いつぶれる鴇田を口説き始めるあたりから表情が変化してきた?で試し読み終了(あわわ、またいいところで)
やん先生の肉体美と京都。これが予想を超えてあっている。花卉に飾られる花はみずみずしい存在感があって紙面が美しい。終盤に向かって、平凡な鴇田の未来がどう変化するのか楽しみな作品。