お伽噺は泡と消え
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お伽噺は泡と消え

じゃのめ

寂しくて優しい恋のお話

ネタバレ
2026年1月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 丘はゲイで、朱巳はヤクザの家の子で、お互いに、この先も誰とも本当には交われず、独りで生きていく未来に寂しさと諦めを抱えていたけど、高校卒業の日に丘が口にしたその苦しさを、朱巳が受け止め、二人で虚しさに愛を埋め合い生きている両片想いの関係。
お互いだけには素直に欲望を曝け出せるし、先がないから止めなきゃと思っても、会えば優しく相手を迎え、大事で結局長い縁を続ける日々を重ねながら、気づけば本心もプライベートも実はあまり知らない。丘は、朱巳が学生の時独り泣いてたことも、朱巳がどんな家で何を諦めてるのか、知らない。そんな二人の内心の切ない想いが、誰に知られることなく泡沫のように描かれ、自分だけで押し殺して消してしまいそうな、まるで実態の無い儚さをどこか感じるようなタッチの作品。重いものを抱えた人間達の話なのに、重くなり過ぎず、御伽話のように希望を見つけてハッピーエンドの道に舞い戻って来るようなお話。切ない要素が沢山散りばめられていて、そこから滲み出る感覚を受け取って読むような感じもします。独特なタッチで、綺麗で優しい恋の話でした。
丘と朱巳の、優しくて温かい感じの心根が好きだなと感じました。
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