2055【単行本版】
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2055【単行本版】

三月えみ

変わりゆくもの、変わらない大切なもの

ネタバレ
2026年1月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ いつか読んでみたいと思っていたシリーズで、今回纏まるのを知って楽しみに待っていました!!
…何というか愛をテーマにした壮大な物語でした。
2055 2072 2075と時代別に3部に分かれてますが、実は根底では繋がっていてそれぞれの登場人物を通して、自分の在り方を考えさせられました。
残して逝く側と残る側どっちがいいんだろうとか、アンドロイドとして側にいて欲しいと願ってしまうんだろうか…選択肢があればあるだけ迷うだろうし、きっとその状況に立たされないと答えは出ないだろうなとも考える中で、葵を失った弥凪の行動は矛盾している様に見えて…そこへ辿り着くまでどんなに辛かったか、苦しみから解放される為の優しい嘘。そして残された者の痛みがわかるからこそ、自身のアンドロイドに託した未来。やはり自分の心は偽れないと知って、葵の元へ向かう弥凪の涙には胸が締め付けられました。

17年後、人間は「オリジン」旧型アンドロイドを「オールドAI」と呼び、ニューオーダーという進化したアンドロイドと人間が共生する時代。サガミとスルガの使命は人間の手で、残ったオールドAIのコアと呼ばれる記憶媒体をせめてもの供養として消去する事。
サガミもまた愛する人を手放せなかった1人。いつでも再生させられる両手をあえてそのままにしてあるのは、1年前の事故とスルガを忘れない為なのだろうと…
大事な使命を全うする中、アオイのコアが見つかりそこから話も急展開。益々近未来の世界にどっぷり入り込むと同時に、恋愛感情を知る為に蘇えらせたアオイを通してスルガの過去とサガミとの真の関係が明らかになり、2075へとバトンが繋がれていきます。

ここまできて割と重いテーマでズシンと来た分、ちょっとほっこり笑っちゃうミカとリールーの2075。
表紙ではダンベル?と思ってたら2連のトイレットペーパーにしか見えなくて、そしたらトートという名前にあ〜やっぱりそちらなのねと(笑)
失敗の連続を欠陥とみなすのか、人間らしいと安堵するのか。人が作ったオールドAIに育てられたミカは後者を選ぶ。それを許さない世相とトートと共に贖い最終的に手に入れた物は?想いを重ね付ける様なキス、ヤナギ達から受け取ったメッセージが圧倒的神秘でした!それからはもう!アプデしたトートとミカのやりとりが尊すぎて、その後の2067年の書き下ろしも含め萌死…
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