ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、
」のレビュー

ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、

佐岸 左岸

誰に贖う

ネタバレ
2026年1月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 佐岸先生の新作、というだけで何も考えずに購入。
これはすごいです。漫画という表現を超えてる。
毒親、格差、ゲイ、マイノリティ、虐○家庭、ブラック仕事。
上っ面だけの問題意識ではない、当事者たちがそこにいる。
こうしたテーマを扱う作品は多いけれど、こんな描き方で読み手の気持ちを揺さぶる力を持つ作品は少ない。
本当に苦しい人は語らないし、そもそも社会生活を営む上で、他人に一々自分の抱える事情なんて言ってどうする。
この作品に登場する人々も抱えた膿を小出しにしながら小康状態を保っている。
説明のない、会話と画力で訴えてくる佐岸先生。
200ページ超えの漫画とは思えない程の情報量。
自責、他責に苦しむ登場人物と私の境界線すらもうわからなくなる。
描かれたコマの細部が映像のカット割のよう。
それもこれもどれも意味のある背景、感情を伝える表情と絞られた台詞。
親子家庭問題を扱う心理・社会系の本を読む機会がそこそこある人にはしんどいかも。
でもそのしんどさを救ってくれるのは、登場人物たちの描かれ方。
好みは分かれるかもしれないけれど、これがすごい作品だってことは間違いようがないと思うなー。
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