ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、
」のレビュー

ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、

佐岸 左岸

カニなのかウニなのかエビなのか

ネタバレ
2026年1月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ ラフな服装と髪型、佇まい。そしてそばかす。
ネットで見かけたその姿とタイトルに、ひと目惚れのような衝動を受けシーモア内を検索、購入。
タイトル含め冒頭からひたすらに続く会話と、映像のように流れていくコマ、何気なく置かれた事実を見せつけてくるショットの数々に、とんでもなく文字量は多いのに飽くことも疲れることもなく、読む手が止まらなかった。
全253ページ。佐岸左岸先生の女性ジャンル作品。

基本他人には塩な対応をしながらも相手を尊重し、過重労働を一身に背負う飲食店勤務の主人公花虎と、その仕事先の面々。そして仕事帰りに出会った謎の男、可児。

淡々とテンポ良く会話は進んでいくのだけれど、各々がなかなかに重いバックグラウンドを持っていて、1巻終盤は更なる重さを、受け止め切れずに私の思考が一旦停止。
読み返すとまた置かれた事実が見えてきて、やり切れなさを強くすると共に、花虎と可児、ふたりの関係性の構築に希望を見いだしたくなってくる。

タイトルにもあるハンカチの使い方が上手なんです。
可児の自己完結した価値観に救われる花虎の心を、よく表している。
箱に入れられ並んだそれらは、一枚一枚が可児の嘘偽りのない優しさで、幼馴染や後輩からの心配では埋めることの出来なかった花虎の心を埋めていく。
可児の言葉は、惑う感情を自分に向き合わせてくれる。

ていうか幼馴染の冬介は本心が分からなくて気になるし、後輩の八作くんは可愛くていい子だし、続きがすごく気になります。菫さんも何だかカッコいい。
めちゃくちゃネタバレで語り合いたい…
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