夜明けがいちばん暗い
」のレビュー

夜明けがいちばん暗い

山田ノノノ

つきなみなんですが

ネタバレ
2026年2月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読からちょっと間を置いての再読です。
一生懸命読みました。最初はおバカな子だなぁと思っていたタカヤの、みんなを暖かくするやさしさ、努力家なところ、それから無自覚なかわいさ。全部、ホストという仕事とは思えない純粋さから出ていて、その陽だまりのような温もりがサイトーさんの凍って時間が止まってしまった時計の針を溶かして動かしてくれたんだなぁと思います。
個人的な事情があって亡くなってしまったアキのことをいつまでも後悔して忘れられずにいたサイトーさんは、きっと苦しい思いを幾夜も重ねてきたことでしょう。後悔、後悔、後悔。先に進むことでまた後悔を積み重ねるんじゃないかという怖さから、一歩も前に進めずにいたサイトーさんを、タカヤが温めてあげられたなら良かった。
夜明けから朝にかけてがいちばん人が死ぬことが多い。アキもその時間に亡くなった。サイトーさんはその時間が怖くて、夜がずっと続けばいいと思っていたのに――。
みんな書いてることだと思うんですが、救いのある物語で良かった。そして、何より山田ノノノ先生の、どんな苦境のある設定でも光を見せてくれるやさしい世界観がわたしは好きです。
好きな人に幸せになれるものを見せてあげたい気持ち、大事にしたいですね。
わたしが言うのもなんですが、良作です。涙がじわっと滲むような、上質な作品です。
それから先生の絵はとても綺麗なので、今作も期待して大丈夫です。

巻末の、タカヤを甘やかしまくるサイトーさんが良かった!
本当に大事なものは大切にするタイプなんですね。スパダリ。そしてその無自覚なスパダリに無自覚に甘やかされつつ、肉体労働に励むタカヤがまたバカかわいいです。
買ってくださいね。
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