夜明けがいちばん暗い
」のレビュー

夜明けがいちばん暗い

山田ノノノ

もやつき?

ネタバレ
2026年3月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 広告から購入させて頂きましたが、本当に素晴らしい作品で内容の濃さにとても満足することが出来ました。
タイトルにもある通りこの物語を通してすこしもやっとしてしまうことがありました。やはりアキが辛い過去を抱え、浮気や喧嘩などではなくお互いがお互いを思ったままアキはなくなってしまい、その上でサイトーさんはタカヤとつきあっているので
・サイトーさんは未だにアキに恋愛感情を持ち続けていて、心の一番深い場所に常にアキがおり、タカヤは「2番目」あるいは「現在を埋めるための存在」に見えてしまう。
ということだと思います。サイトーさんの中のアキも含めて愛するということはタカヤは一番に見て貰えないのかなって。

でも多分そんなことはなくて、一般的に恋には「隣にいて欲しい、自分だけのものにしたい」という欲求があるのに対し、物語で結論づいた愛は「その人と過ごした時間が今の自分を作った。だからその記憶ごと愛して生きていく」という意味があるんだと思います。

タカヤがおバカで楽観的だからこそこんな複雑なこと考えずただ純粋に、大切な人が心の中にいるサイトーさんでもサイトーさん自身を愛して、大好きだからこそ一緒にいる。でものほほんとしてるだけじゃなくて「アキさんの存在があるから自分とサイトーさんは同じ気持ちになれないかもしれないけど自分は一生好き」としっかり過去があるサイトーさんに向き合ってる。その眩しさにサイトーさんも惹かれていったのだと思います。

こんな長々と書いてしまいましたが、結論は
アキとの愛は過去のもの、自分の一部として「静止」している愛
タカヤとの愛はこれから作り上げていく、現在進行形の「動いている」愛
だから今と過去の愛は比べるものではないし、この先はずっとサイトーさんはタカヤだけを一途に愛し続けてくれるだろう。ということです。
ちょっと重たく冷ややかで1歩引いたような愛の物語ですが、こんな物語だからこそ私も沢山うなってまた1歩大人の感性に近づいたような気がします。素敵な作品をこの世に産み落としてくださり本当にありがとうございました。
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