このレビューはネタバレを含みます▼
この作品はハッピーエンドで、読後感も爽やかなんです。だけれど、私の中で、この作品を読み返すのって少し覚悟がいるといいますか、途中があんまりにも苦しい瞬間があるんですよね。
恋人を失ってなんとなく毎日を生きていて、今にでも消えてしまいそうなサイトーさんの危うさや、彼の心の深い部分に入れない、踏み込めない一線がある感じがもどかしくて凄く辛いからです。でもそんなサイトーさんの凍りついた心をタカヤくんがゆっくり溶かして明るくしてくれるんですよ。ずっと夜で止まっていたサイトーさんの時間を、タカヤくんという光が、朝まで時間を進めてくれる。だからこそ、途中のシーンがいくら辛くても何度も読みたくなるんですよね。
印象的なシーンが沢山あるのですが、中でも、失った恋人を思い出し、ふと踏切に吸い込まれそうになったサイトーさんを、偶然なのか運命なのか、タカヤくんが笑顔で「帰ろう」と言って引き止めるシーンは本当に綺麗で、サイトーさんの真っ黒になってしまった世界が、少しずつ色付く感じが伝わってきて、あぁサイトーさんとタカヤくんが出会えて良かったなぁと心から思えました。
もう文学作品のように美しい作品なのですが、𝐒𝐞𝐱𝐲シーンもね。本当に感無量なんですよ。最後のね、思いが通じあった2人のシーンは、息をカブ飲みしながら見てました。本気のサイトーさんの色気が限界突破で脳の海馬に突き刺さりますし、タカヤくんはキュートすぎて、babyからwow fantastic babyへと進化を遂げていました。もはや宇宙でした。
読後は本当に胸がいっぱいで、ずっと暫くこの作品のことばかり考えてしまいます。自分の辛い気持ちも、過去も共に背負ってくれて、一緒にいるだけで穏やかな気持ちになれる。そんな人といつか出会えたらな、私も誰かのそんな存在になれる日が来たらいいなとこちらの作品を読む度に思います。