薫りの継承【上下巻セット・単行本未収録イラスト付】
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薫りの継承【上下巻セット・単行本未収録イラスト付】

中村明日美子

静かに訪れる

ネタバレ
2026年3月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主観的な感想です。

忍は表向きは飄々としていますが、許嫁との結婚など自分の生き方を決められていて、逃げ場はなかったんだと思います。自分の心なんて捨てたんでしょうね、対峙すると壊れそう。武蔵だけがイレギュラーな存在で、キツくあたっていたのかもしれません。だってキツく当たる必要はないんです。円満な家庭を築くには有るまじきこと、くらいには感じました。

最初の交合いをきっかけに、歪んだ愛を自覚しはじめます。強い依存です。
武蔵が異母兄弟と判明しても尚、武蔵への愛はとまらなかった。そして最後には心で結ばれたのですね。

事故に見せかけた命の終わらせ方。

同じ死に方を選ぼうとしたことがあるので、最後には納得がいきました。
事故と錯覚させる。
理由は様々でしょうが、生きてたら武蔵の足枷になる自責の念ではないでしょうか。それほどに愛していたのではないでしょうか。家から離れ、自由にしてあげたかったのかもしれない。
今まで飄々とし生きてきた武蔵の死因が事故死だったこと、周囲はすんなり受け入れたでしょう。ましてや自分で死を選ぶなんて考えもしないでしょう。

愛の重さなんて測りきれないしそんな凡庸な言葉で表現するのも下世話だと思いますが、最後の最後で忍の愛が勝ったのだと思いました。ラストはページ数もそんなに無いですが、熱がありました。BLは好きですがこういった関係は苦手で、でも作者さんの作品が好きなので挑戦してみました。読んでよかった。ありがとうございます。
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