ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、
」のレビュー

ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、

佐岸 左岸

漫画って素晴らしい

ネタバレ
2026年4月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 帯?に書かれている言葉から、アレな感じか?とポチるのに勇気がいりましたが、主人公は好青年でした(ホッ)。

セリフが膨大な上に、てん(、)まる(。)がついてて小説のようだし、四角いコマやカット割り、テンポのいい自然な会話はまるで映画を見ているよう。
でも、映画じゃこの早口多言や内容に頭がついていけないし、小説じゃあ人物の無言の時の表情や、間の良さが味わえない。何度も出てくる眼鏡を直すという動作、おそらくカニさんのちょっとした心理が込められた動作表現も、映画でやるとクドイし、小説ではそもそも出来ない。
映画でもなく小説でもなく、漫画ってやっぱり素晴らしいと思える作品。

喋りと無言の間の繰り返しに、花虎の日常を、リアルタイムで見ているような錯覚を覚える。
彼の過去は具体的には分からない。けれど結果論として、やらかしたのは間違いなく、彼はその事に苦しんでいる。
クズ、カス、底辺。個々の事情を剥ぎ取り、一纏めにされるし、自分に対してしてしまう。人が社会的動物であることを、物語全体で感じ取れるストーリー。
 生殺与奪は他人が持っている
真実だけど、それは違うとするのは安易な思い遣りではなく
蟹ではなく海胆である可児さんの、人や社会に対しての不動のスタンスだからこそ、心に沁みるんだよなあ……涙

…でも、こう言っちゃあなんだけど、二人ともめんどくさい(笑)
そのめんどくさいを受けとめてくれる人がいるのは幸せな事だね。

しみじみといい作品。この二人がどうなっていくのか、次巻、タイムマシーンを楽しみに待ちます。
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