騎士は悔恨に泣く
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騎士は悔恨に泣く

春日部こみと/Ciel

ヒーローの悔恨に不足なし

ネタバレ
2026年4月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ この手の作品は読み手がヒーローの仕打ちを許せるか?贖罪はヒロインが受けた仕打ちに見合うものか?によって評価が分かれると思いますが、個人的には100パーセント満足!!そもそもヒーロー側の事情が悲惨すぎて、また生まれ育った環境的にもヒロインに対して屈折した感情を抱くのも致し方ないと思える。葛藤しつつも抗いようなくヒロインに惹かれていく描写は読み応えがありました。なんやかんや言いつつ、初夜から優しくて態度に甘さがあったのも◎かつて自分が可愛がっていた弟分を手にかけた血塗れ姫だと言い聞かせつつ、目の前のヒロインとのギャップに戸惑い、愛おしく思うようになり、相反する感情に苦しむヒーロー。作者様のさすがの筆致力で、狂おしい心理描写を満喫できました。ラブシーンもばっちり!あっさりし過ぎず官能的で良かったです。船旅中にヒーローの愛人(なお体の関係はなかったことが終盤に判明)と遭遇し、自分よりも彼女を優先され傷つくヒロインでしたが、戻ってきたヒーローからのわからせ?嫉妬?強引なお風呂えっちが特に好みでした。愛人の存在もあり、ヒロインの揺れる恋心がまた切なくて。初恋の相手と結婚したものの、愛を告げることも求めることもできない関係性。それでも時折優しさを見せるヒーローに惹かれ、夫婦として距離を縮めたくなってしまう…もどかしくて切なくて、この気持ちを味わいたくてTL小説読み漁ってるのよ私は!!となりました。物語後半、自分の行いを後悔し、彼女に真実を迫るヒーローでしたが、妊娠を自覚したヒロインはヒーローを解放してあげたいと別れを告げます。酷い態度を取った自分は彼女に見切りをつけられたのだと、もう手遅れなんだと後悔する姿に溜飲が下がる思いでしたが、そこから何度でも足掻いて愛を乞おうと決意し…この辺りの流れがまーーー好み過ぎて…!(大喝采)さらにクライマックス、命の境目を彷徨うヒロインに涙を流しながら愛を告げ、何故もっと早くに言えなかったのかと後悔するヒーローに私も泣いてしまいました。このようにヒーローの後悔が何段構えにもなっているから、私はこいつ許せん!とはならなかったです。目を覚ましたヒロインを前に壊れたように繰り返し愛を告げるシーンも胸がジーンとしました。最後には生意気に成長した息子も登場し、仲睦まじい夫婦にほっこりしたのですが、欲を言えば両想いになった後のラブシーンがほしかった…!
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