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今月(6月1日~6月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • なかなか稀少な光谷さん

    きあま紀一

    美しく光輝いているから「光」谷さん?
    ネタバレ
    2026年4月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙に描かれた主人公の美しさ(繊細で丁寧な描線とさらりとした色使いに作者の確かな技量とキャラクターへの愛情を感じました)が、派手な色使いで目立とうとしがちなコミック棚の中で逆に気になって手に取りました。内容も期待通りにクドくなく、構成もスッキリとまとまった佳作と呼んでいい作品かと思います。
    西欧の神話に端を発するエルフという妖精(妖怪?)は、その美麗な姿と長寿が強調される形でわが国に定着しました。そして1000年生きているミミック好きの魔法使いとか、江戸時代に召喚され神社の祭神になってたりとか、現代の美食に嵌ってダイエットする羽目になったりとか、様々なバリエーションを生み出しました。本作もそうした日本型エルフの流れを汲み、齢約200歳で玄孫までいるにも関わらず美しいエルフの光谷さんが、高校に入学して「浦島さん」する姿をコミカルに、でも暖かく描いています。
    さて、今回レビューに当たり丸2日かけてみっちり読み直したのですが、これ、以外に構成がしっかりしていて、意図的に3巻でまとめてるんです。作品内の時間的スパンは光谷さんの高校1年の1年間ですが、1〜10話でまず作者の描きたいネタを畳み掛け、次に追加のファンタジー世界の古馴染みたちを登場させ作品世界/設定を画定します(ここで「なかなか稀少」という言葉の意味が判明)。最後に読者がそれまで感じてきた疑問や違和感をサクサク解消していき、めでたく2年生!希望に満ちた生活はまだ続きます…という締めになります。ここで終わらせる必要は必ずしもないと思いますけど、エルフの長寿は人間との別離の悲劇に繋がりがちなので、(作者or編集者が)そういう展開を意識させる必要はないと判断したと解釈しましょう。
    最後に登場人物に関する若干のネタバレを…
    光谷さん:名前は時枝、異世界時はエダ、学校では美の人とも。最初にイギリス?に来て後に日本へ。関西弁で雑煮は白味噌なので京都にいた?魔力切れで70年ほど休眠していたが3年前に目覚めた。
    ハルキ:光谷さんの玄孫。既婚者。最初男性かと…(汗)。母(光谷さんの曾孫)の名はソウ、兄はシズ。
    ノィル·フォレスト:光谷さんの幼馴染のエルフ。米国で映画俳優をやっているが、時折日本で変身して光谷さんの同級生森として活動。
    ミタカ:巳鷹山の神(天狗?)。光谷さん休眠時に彼女を預かっていた。極度の人見知りでものぐさ。酒好き。
  • ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~@COMIC

    杜乃ミズ/餅月望/Gilse

    転生やり直し令嬢系作品の「最高峰」?
    ネタバレ
    2026年3月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ いわゆる転生やり直し悪役令嬢系の作品ですが、色んな点でそれまでの同種作品にあった出落ち的設定やざまぁ展開、ご都合主義的要素等を再構成/集大成したような、(今まで小生の見てきた中で)最も重層的構成を持つ作品だと思います。
    実はチキンハートで人のいい(但しワガママに育てられた)姫君が自分の与り知らない運命の責めを負わされる形で人生を強制終了させられますが、周りの極少数の理解者たちの祈りや想いを受けて、子供時代に転生し断頭台回避のためにやり直し人生を奮闘する話です。
    でも、彼女(ミーア姫殿下)にはその運命を回避する方策が分からない。分かっているのは自分がギロチンに架かることだけ。自分がそうなった理由が人為的なものを含め余りに複雑で、また不運が重なり過ぎて過去の彼女のスコープの範囲ではでは到底把握できていた筈がないからです。この辺の設定が(主人公であればゲーム知識とかで事前に分かってたりすることがよくある他の作品に比して)リアリティを感じさせます。そして主人公はあくまで自分の保身を考える浅知恵キャラなのですが、一方でそれによって周りの人々も幸せになっていく選択肢を「ほんの少し」意識することで結果的に最高の運命を選択していきます。このほんの少しの意識の差が(周囲の様々な誤解を巻き込みつつ)結果的に「帝国の叡智」と呼ばれる聖女を生み出していくことになります。
    しかし、この作品の本当のミソは、このパラレルワールドが唯一選択された現実ではないと彼女か気づいていることにあります(そしてこの運命線を維持していくことが、彼女の生きていく目的になっていきます)。従ってこれからも運命は平気で暗転するでしょうし、今不幸と感じている人々も転生して運命を逆転できる可能性(危険性)を有しています。第二部以降のストーリーも事実その不安定性を孕んで緊張感を持ちながら展開していくと思われます。
    まさかこの手の作品で、ずっと先々読んでいきたいと思えるようなものに出会えるとは思ってもいませんでした。コミックス継続おめでとうございます。
  • 妻よ、僕の恋人になってくれませんか?

    mamaya/STUDIO ZOON

    祝!第一章完結!で、個人的独善的レビュー
    ネタバレ
    2026年2月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 小生50年以上「マンガは紙だ!」という信念でやってきました。今回本作をネット広告で見てヒロイン(美月ちゃん)に年甲斐もなく一目ぼれしてしまいましたが、AI絵なのはすぐに分かりましたので、紙で発行される可能性は低いと判断、人生初の電子書籍購入に至りました。それほど魅力的なヒロインでしたし、購入して良かったと思える作品でした。
    本作は(宣伝を見ると)一見レス夫婦の微エロ(結局美月ちゃんのバストトップは拝めなかったし)ラブコメに見えますが、本当のテーマは夫婦についての男女の考え方の違い(夫婦でいる目的、相手に対する思いやり、肉体的/精神的な繋がりに関わる価値観等)と、それに起因するコミュニケーションのずれ(相手によかれと気遣ったことが実はそうではなかった…的な状況)が生み出す信頼関係の継続的な不安定とその再構築への努力のプロセスの物語(のサンプル)なのではと思います。それは、自分を含めて刺さった人たちは皆、自分の体験を理由にしていることに示されており、その辺が分水嶺のように感じます。
    が、それだけでは低評価の理由の十分な説明にはならない。本作には実際いわばメタ的な欠陥が存在していたからです。
    その欠陥とは、
    ①キャラクターの微妙な感情の動きが表現できないAI絵の限界
    詳細な描写を可能とした技術の進歩は素晴らしいのですが、まだ人間の感情の揺れの表出である微妙な表情の変化やマンガ的なギャグ表現による感情爆発シーンは厳しいようです(美月ちゃんにはその辺が殆ど見られませんでした。)説明的解説的台詞が少ないこともあり、彼女の心の変化が見えにくくなったのは否めないでしょう。
    ②作品の尺の制限
    本作の短い尺で起承転結を描くと、どうしてもストーリー展開が駆け足になります。読者を納得させる結末に持っていくためにはやはり大イベントを持って来るしかない。これがNTR未遂事件だったのですが、唐突過ぎてそれまでの流れをひっくり返してしまいました。ただ逆に美月ちゃんはそこまでして守るべき「高嶺の花」だという効果も生みました。
    以上、若干擁護じみた解釈論を展開しましたが、これが作者の意図に即して正しかったかどうかは第2章以降の物語を見てのお楽しみということになりますね。贔屓の引き倒しにならないことを祈ります。
    では、コロナ禍以来止めていた嫁さんへの肩もみとマッサージを再開することとしましょうか…