《シンデレラ+シンプソン夫人》のストーリーは、どちらも相手に巡り会うことの価値を前面に押し出しているため、こんなに相性のいい組み合わせだったとは、読んでビックリ見てビックリだ。
荻丸先生が描かれる男子は定番化した安定の顔ぶれ感はあり、愛着
もあるけれども、これ迄は私の思うハンサムではなかった。ところがこの作品のリコは美形という触れ込みの役柄設定を納得させる顔立ちだった。これまで文無しから這い上がって登り詰めて、というパターンや、やや庶民的人物で描かれる男子には、当てはまり具合に不安を感じさせなかったが、本作品では王子登場。荻丸先生の王子物作品は初めて読んだ。それらしさを醸し出すのはとても成功している。
むしろ、微妙な立ち位置の王子、という難役にはまる絵で、外野をはねのけて高らかに自分の思う道を明るく進み、エンディングの潔さが気持ちいい。
変身ものはベタ展開だが、アフターのリコのリアクションとなると、この種のHQではちょっと記憶にないほどキャラの味をしっかり出していていい場面だ。
みんないい人で悪人無しというHQもいいが、このHQのように、悪人くっきりの波乱くぐり抜けのHQもなかなかいい。
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