レトロな時代設定。自由や娯楽の少ない時代だからこそ、人々にとって本は夢や希望を与えてくれる、と同時に欲望や願望も生み出してしまう。怪我をして筆を置いた元小説家の都筑応居。彼を崇拝する熱狂的なファンの願望、欲望によって事件が起こります。仄暗く
、落ちていきそうな彼をつなぎとめるのは、彼の唯一の理解者である女子高生のあやのちゃんです。2人で事件を解決していくのですが、お互いがかけがえの無い存在になっていく様子がとても丁寧にかかれています。いい大人が、女子高生相手に切ない気持ちを抱いていく様子はぐっときました。あやのちゃんの方はまだ無自覚のようですけど、時間の問題だと思います。大人になったあやのちゃんと、都筑先生の話も読んでみたいです。
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