アンナは七年もの間、逃亡を続けていた。身分を伏せ、偽名を使い、住居も転々と替えて。すべては、タラント家唯一の相続人である彼女を亡き者にして、一族の財産を乗っ取ろうしている継父の魔手から逃れるためだ。恋人も友人もないアンナの孤独な日々を支えてくれたのは、子供のころからずっと夢に現れる謎の男性だった。なぜか“彼”とは、見えない絆で強く結ばれているとわかる。ある晩、ひとけのない路上でふと注意を怠ったアンナは背後から何者かに襲いかかられた。死にたくない……。アンナは薄れる意識の中で、“彼”に強く助けを求めていた。■リンダ・ハワードから大絶賛を受けているF・ブランドの作品。過酷な運命を背負って独りで耐え抜いてきたアンナを“彼”は救い出すことができるのか? 強い愛の絆に結ばれた二人の神秘的な恋物語です。