ジュリアナは舞踏会に出席するため、意気揚々とモンゴメリー城へ向かっていた。お城で催される会など普段は縁のない話だが、日頃仕事を手伝ってくれている礼にと、兄が招待状を用意してくれたのだ。今日は一度きりの夢のような夜を、思いきり楽しみたい。到着したときには舞踏会はすでに始まっていて、華やかさに圧倒され周囲を見渡していると、一人の男性と目が合った。高貴な雰囲気の漂う、とてつもなくハンサムな男性だ。一瞬にして、ジュリアナは見も知らぬその男性に心奪われた。彼こそがモンゴメリー城の主、プリンス・ランダーだとは知らずに。