※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
ビジネス社会では、「スキル」という言葉が頻繁に使われる。仕事を進める上で必要な技術・技能・能力のことである。従来は「スキル」というと、ベテラン職人の「熟練の技」などを指していたが、ビジネス社会のグローバル化、あるいは効率化に伴い、ビジネス経験上の能力指標の意味でも使用されるようになった。パソコン操作のスキル、プログラミングのスキル、経理のスキルなどのような使い方をして、ビジネス従事者としての職能を表している。このように、今では「スキル」という言葉は、「練習すればだれでも身に着けることができる能力」のような使われ方をされている。本書でも「スキル」は、職業上の能力という意味で使用している。
コミュニケーション技法の中核である「ヒューマンスキル」も、学習し訓練すれば、だれでも習得できるものなのである。それでは、「ヒューマンスキル」とはどういうものなのだろうか。直訳すると「人間的な能力」となるだろうが、もう少し具体的にいうと「人として周囲との良好な人間関係を築き上げ、それを維持する能力」という意味で使われる。そして、これは、社会人として生きていくために必要な「スキル」なのである。