なぜ日本人はかくも憎まれるのか?
なぜ中国の若者にこれほどまで愛国主義が根付いているのか?
なぜ天安門事件以降、中国共産党政権は国民の支持を回復したのか?
なぜ中国はアメリカと日本に対して、これまでより強気の主張をするようになったのか?
本書では、天安門事件と冷戦終結を経た今日の中国の政治的変遷、大衆心理、外交政策を説明する上で、「歴史的記憶」が現代中国の国民的なアイデンティティの形成にどのような役割を果たしているか、また政治的にどのように利用されてきたのかを、中国育ちの在米国際政治学者が、膨大な資料から解き明かす。中国の公文書、スピーチ、インタビュー、歴史教科書、歌など幅広い資料から分析した気鋭の研究。
国際関係学会[ISA]イェール・ファーガソン賞受賞Never Forget National Humiliation: Historical Memory in Chinese Politics and Foreign Relationsの待望の邦訳!
【主な内容】
序章 「戦車男」から愛国主義者へ
第1章 選び取られた栄光、選び取られたトラウマ
第2章 歴史的記憶、アイデンティティ、政治
第3章 「中華帝国」から国民国家へ――国恥と国家建設
第4章 勝者から敗者へ――愛国主義教育キャンペーン
第5章 「革命の前衛組織」から愛国主義の政党へ――中国共産党の再構築
第6章 震災からオリンピックへ――新たなトラウマ、新たな栄光
第7章 記憶、危機、外交
第8章 記憶、教科書、そして中国と日本の和解
第9章 記憶、愛国主義、そして中国の台頭