一緒にスタジオで遊びながら撮影しているうちに、ぼくはだんだん彼女が好きになっていたのかもしれない。屈託のない少女のような笑顔のあいまに見せるまっすぐな視線が、少しずつささっていくのを感じていた。外に出て近所の公園でブランコに乗る彼女を撮影し、そのあと知人のやっている地下のライブハウスの前までデートした。そのまま一緒にライブ会場に入り、帰りに下北沢の路地裏でキスして、、、と30年以上前の学生時代の設定で妄想してしまった。路上で抱きしめたくなる女だ。まっすぐなのに色っぽい。明るいのに切ない。2重の表情がたまらない。