「言葉にするんだ……。声にして……俺を求めるんだ。――できるね?」
つい数時間前に出会ったばかりの男性と誓いのキスを交わして、しかも純白のウェディングドレスを着て……!? どうして!! 動揺している美和子の薬指に“契約”の指輪がとはめられる。今日だけの身代わり新婦だったはずなのに、甘いキスと指先に蕩けてしまい、新婚旅行まで一緒に!?
花嫁介添人として働く椙原美和子は、結婚式場から失踪した花嫁の身代わりに仕立てられてしまう。花婿は財閥の御曹司・九条芳之。
「ひとり残されてしまった俺にひとときのやすらぎをくれないか」
強引だけど真摯な彼にほだされてしまい、身体を重ねてしまう美和子。車内という密室に白いバラと彼の体臭がたちこめて……。