【噴火予測年2014年±5年、想定死者数最大1万3千人、被害総額2兆5千億円ともいわれる、直近かつ最大の危機に真っ向から挑むとともに、父と娘の絆の再生を描き出す。感動のノンストップ防災エンターテイメント!】元・陸自パイロットの新居見充は3年前の平成南海トラフ大震災の際に妻と息子を失った。たったひとり残った家族――東京で医者として働く娘とは絶縁状態だ。助けを求める家族からの電話を切り、目前の人命救助を優先した…今は喪失感にくるしみながら御殿場市の養護老人ホームの施設長として働いている。ある日、旧友の静岡日報の記者・草加から「富士山の噴火が近い」という情報を得る。マグマの活動に不穏な動きがある、と。ともに訪ねた日本防災研究センターで、研究者・瀬戸口と火山学者・秋山有紀から「御殿場は全住民の避難が必要になる」と聞かされる。噴火が始まったら、溶岩と土砂が流れ込み、噴石と火山灰が降り注ぎ壊滅状態に…。御殿場市、古巣の自衛隊、消防や警察などあらゆる方面に働きかけ、新居見が中心となったホームの避難計画が動き出す。入居者の一時避難を終えようとした時、ついに噴火が始まった――! ハザード予想を大きく上回る大規模噴火に、首都機能も大混乱をきたす。富士山の山体が崩壊するまでのタイムリミットは…そして、市民たちの避難は間に合うのか…!?