2001年の9・11同時多発テロ後、アメリカの情報・軍事政策は一変した。中東やアフリカの各地で、中央情報庁(CIA)は無人機に頼った暗殺作戦に血道を上げる準軍事組織に様変わりし、一方で国防総省(ペンタゴン)は自前のスパイ組織を立ち上げ、特殊部隊が正規の戦場の外でテロリストを狩り始める。両者は互いの縄張りを奪い合い、次第に確執を深めていく――。インテリジェンスと安全保障分野に精通し、CIAと対テロ戦争の最前線を追い続ける《ニューヨーク・タイムズ》のトップ・ジャーナリストが、膨大な取材をもとに劇的に変貌を遂げつつある世界最大の情報機関と「影の戦争」の実態に光を当てる。海外メディアで絶賛を浴びた闇のクロニクル。解説収録・小谷賢(防衛研究所主任研究官)。