亡君の仇討ちを胸に秘めた赤穂浪士・前原伊助は、吉良家の奥女中・千尋と許されざる恋に落ちてしまう。いずれも主家を捨て、二人の恋を達成すべきかと思い悩むが、吉良邸への討ち入りは予定通り決行される。討ち入りの夜、再会した2人は声なき声を交わして別れた。「いつの日か、自分たちの末裔が後の世に出会って、実らざる恋を達成するだろう」。これ以後、日本の歴史を彩った節目に、ふたりの家系に連なる者たちが幾度も巡り会う。時代の荒波に揉まれながら、波瀾万丈の出会いと別れを繰り返す恋人たちを描いた、重層的恋愛小説。※本書は、2015年10月30日に配信を開始した単行本「運命の花びら 上」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください)