この作品までにトントン拍子で先生のオヤジキャラものを読んでいたので、今回もそっち系で予想していましたが違いました。さすが何作も出されている作家さんですから、当たり前に引き出しの数も多くていらっしゃるのですね。今までと全然違う作風(オヤジギャ
グが全くなかった)ので、2回も作家名を確認してしまったくらいです。先生の新しい魅力を知れて、とてもラッキーな作品でした。今回は、受けの心情を切々と丁寧に重ねていて、そのあまりに捨て身の行動と星の瞬きほどの希望に縋り付く様子とが、切なすぎて胸がズキズキ痛くなって涙してしまいました。自分を堕として自己犠牲に走る姿も痛々しかったです。そんな桐谷の切ない思いを軸に、様々な事件を絡めて二人の関係を展開させていく…質・量ともにちょうど良い加減で読みやすかったです。
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