栗本薫の筆名でグイン・サーガ、伊集院大介シリーズほか数多くのベストセラーを生んだ中島梓が、1991年に発表した書き下ろし評論。おタク、ダイエット、女性による男性同性愛への関心などを扱い、変容する社会において危機的な状況におかれた自我のあり方を、自身も拒食症・過食症に陥り、また「真夜中の天使」を嚆矢としてやおいと呼ばれるジャンルを拓いた体験を踏まえつつ描いた問題作。刊行当時若者の共感と批評家からの絶賛を浴びたものの長らく絶版となっていたが、いま電子版として復刊される。解説・藤本由香里。【目次】はじめに──私はなぜこの本を書こうと思ったのか第1章 コミュニケーション不全症候群第2章 オタクについて・1第3章 オタクについて・2第4章 ダイエット症候群・1第5章 ダイエット症候群・2第6章 病気の時代第7章 僕の夢は少年を……第8章 美少年なんか怖くない第9章 最後の人間第10章 コミュニケーション不全症候群のための処方箋あとがき解説 藤本由香里