未曾有の超大作グイン・サーガで知られる栗本薫が、12ヶ月にわたって小説新潮誌に連載した、12のジャンルを書き分けた作品集。疑惑が疑惑を呼び狂気へとひとりの男を駆り立てる心理ミステリー「犬の眼」。手練れの時代小説作家もかくやと思わせる佳品「おせん」。軽妙な文体をあやつりつつ、圧倒的な筆力でラストの哀切へと雪崩れこむ青春小説「公園通り探偵団」。そして巻末を飾るグイン・サーガ外伝など、若き栗本薫の才気が爆発する。【目次】まえがき一月/犬の眼〈心理ミステリー〉二月/おせん〈時代小説〉三月/保証人〈社会ミステリー〉四月/紅〈芸道小説〉五月/夜が明けたら〈青春小説〉六月/忘れないで〈SF小説〉七月/公園通り探偵団〈風俗小説〉八月/離魂病の女〈捕物帳〉九月/嘘は罪〈都会派恋愛小説〉十月/ガンクラブ・チェックを着た男〈本格推理〉十一月/五来さんのこと〈私小説〉十二月/時の封土〈ヒロイック・ファンタジイ〉十三月/あとがき