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都市用水は慢性的不足をつづけていてすこしのゆとりもなく、いったん天候の異変が起こればすぐに断減水に追いやられるという綱渡り的存在である。
水問題は、政府や利水当事者の努力だけで解決できるものではなく、国民全体の問題として真剣にとり上げ、常に関心と協力を惜しまない姿勢が必要である。
水資源は水量的にひっ迫していると同時に、水質の面でも年々悪化の一途を辿っている。水質汚濁は、公害問題ではいちばん早くから騒がれていて、対策も他の公害よりはかなり早くから手が打たれていたはずである。ところが河海の汚染は進むばかり、われわれの飲み水すらおびやかされ続けているのである。
GNP(国民総生産額)の増大、国民生活の向上というが、その陰に公害は進み、飲み水すら安泰ではありえなくなってきたのである。
本書は飲み水の危機について率直に現状を認識してもらうと同時に、水問題の問題点を指摘し、国民に水の再認識を訴えようとするものである。(「序」より)
目次
序
1 いのちの水
2 生活と水
3 都市は水を求める
4 ケース・スタディ――首都圏の水
5 水資源は足りるのか
6 世界有数の降雨国だが
7 より多くの水を――水資源開発と問題点
8 水の分配
9 水資源開発を急げ
10 下水を飲まされる
11 毒物の恐怖
12 ふたたび清流を
13 水源汚染と水道
14 水道水の水質
15 雑用水道――下水の再利用
16 海水の淡水化
17 水の再認識
18 むすび