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恒星に関する現代の物理を専門家以外の一般読者に紹介するのがこの本の目的である。
本書で最も多くの頁数をさいたのは、変光星や近接連星の章である。ここ二〇年間に驚くばかりの新知見の得られた分野であり、現在なお筆者ら天体物理を専門とする者が最も興味を抱いている対象だからである。さらにわれわれになじみ深い星座の星ぼしをとりあげ、その実際の姿を現在の知識にのっとって覗き見ることも試みた。本書はけっして首尾一貫した入門書とは言い難いが、恒星に見られる諸現象については筆者の及ぶ限り最新の知識を紹介するように努めたつもりである。しかしこれとて、この分野の目を見張らされるような昨今の進歩を想えば、数年後には大幅な変更を迫られるかもしれない。(「はしがき」より)
本書の初版は一九七四年に出版されたが、その後、各国にぞくぞくと地上の大望遠鏡が建設されるとともに、地球大気外を飛ぶ人工衛星天文台や気球望遠鏡からの斬新なデータが数多くの新知見をもたらし、天体物理学は一変しつつある。
今回データを必要に応じて改訂し、新しい発見事実も加え、第二版として出版することとした。(「第二版へのはしがき」より)
目次
第二版へのはしがき
はしがき
I 星の宇宙と銀河/ 1 はじめに/ 2 回転する銀河/ 3 大宇宙の中の銀河/ 4 膨張する宇宙/ 5 素粒子から宇宙までのスケール
Ⅱ 星の一生
Ⅲ 星の構造
Ⅳ 変光する星/ 1 誕生星の変光/ 2 脈動変光/ 3 磁変星/ 4 星の低エネルギー爆発/ 5 星の高エネルギー爆発/ 6 死んだ星の変光
Ⅴ 連星/ 1 連星の性質と種類/ 2 連星の頻度/ 3 最も離れた連星/ 4 不可視伴星と惑星/ 5 連星の起源/ 6 食連星
Ⅵ 近接連星/ 1 ロッシュ限界/ 2 星の墓場/ 3 琴座ベータ星のガス流/ 4 御者座イプシロンをめぐる論争/ 5 X線近接連星の高温プラズマ/ 6 近接連星からの重力波/ 7 〝悪魔〟という名の星/ 8 近接連星の三種類/ 9 宇宙現象の加速器/ 10 猟犬座RS星の大黒点群/ 11 新星の高温斑点/ 12 SS433という星/ 13 反射効果・楕円効果・近星点移動/ 14 近接連星の運命
Ⅶ 星座の星ぼし/ 1 北極星/ 2 北斗七星/ 3 乙女座「スピーカ」/ 4 御者座「カペラ」/ 5 六重連星カストール/ 6 オリオン座の星/ 7 シリウスとプロキオン/ 8 牽牛と織女/ 9 カシオペア座の星/ 10 白鳥座の星/ 12 一等星
Ⅷ 附録