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イスラムはなによりもまず宗教であり,その宗教としての本質を見失っては,イスラム社会の綜合的な把握は出来ない.本書は,聖典,予言者,共同体など宗教上の重要な個々のトピックについて語りながら,イスラムの全体像を浮び上らせようと試みた.
目次
まえがき
第一章 聖典―― コーラン
1 コーランとは 「読誦されるもの」/コーランの形式/書物としてのコーラン/「神の言葉」としてのコーラン
2 コーランの思想(一)――信 神/天使/世界/来世/人間
3 コーランの思想(二)――行(ぎょう) 「行」の二区分/イバーダート/ムアーマラート
第二章 預言者――ムハンマド
1 社会的背景 時代状況/アラプ部族社会/メッカ社会の病弊/ハニーフ
2 メッカのムハンマド 生いたち/召命/最初期の啓示/伝道と迫害/ヒジュラ
3 メディナのムハンマド メディナの調停者/「メディナ憲章」/メッカ側との対決/預言者の死
第三章 共同体――ウンマ
1 ウンマとは 人類史の中のウンマ/ウンマの本質/ 「ムハンマドのウンマ」/神とウンマの関係
2 ウンマの構造的特質 「聖なる共同体」/生活共同体/聖と俗/在家の宗教
3 ウンマの現実態 ウンマの動態/ウンマの構造的変容
第四章 「異端」――ハーリジー派とシーア派
1 ハーリジー派 正統と異端/運動の発端/運動発生の史的背景/ハーリジー派の活動/ハーリジー派の思想/ハーリジー思想の特質
2 シーア派 シーア諸派/「シーア」とは/運動の発端/カルバラー事件/ ムフタールの反乱/メシア思想/ザイドの反乱/イマーム派の確立/イマーム論/シーア思想の特質
第五章 聖法――シャリーア
1 シャリーアとは シャリーアの意味/シャリーアと実定法/シャリーアと道徳/事実性の問題/実定法としてのシャリーア/シャリーアと歴史
2 シャリーアの歴史 初期の法解釈/ 「前法学派」/ハディース学派/シャーフィイーの功績/正統四法学派の成立
3 ハディース ハディースとは/ハディースの収集/ハディース集の成立/ハディース批判/イスラム的「正統」の確定
第六章 神学――カラーム
1 カラーム発生の基盤(詳細略)
2 ムゥタズィラ派(詳細略)
3 アシュアリー派(詳細略)
第七章 政治――スィヤーサ(詳細略)
第八章 神秘主義――スーフィズム(詳細略)
第九章 むすび――近代への序曲(詳細略)
参考文献