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人間は火の発見,各種天然資源の活用を通して,原始生活から文明社会への大進展をとげた.本書は地球の長い歴史のうちに人間のあるべき姿を求め,過去から未来を冷静に見直す「眼」を確立しようとする地球環境学への提言である.
目次
まえがき
第一章 人の住む星――地球環境学への序章
地球観の焦点/ 人間環境の理想像/ 風土と世界観/ 鎖国の中の国際感党/ 地球環境学の輪郭/ 環境と環境学/ われわれの立場
第二章 地球――—物質とそのサイクル
大環境=地球の姿/ 地球は多層構造/ 水の惑星――地球/ 不均一性と不安定性/ どこまで人の手がとどく/ 大地の組成と銅の発見/ 鉄—ー微生物の産物/ 原始海でのできごと/ 大気と気候と太陽/ 植物の役割
第三章 エネルギー
石炭は寒い太陽の化石/ 微生物から石油に/ サンゴ礁に石油が/ 石油の資源観/ 木材資源を考える/ 森と人間/ 焼地の生態学(エコロジー)/ 文明のエネルギー〝火〟/ 銅よりも鉄を/ 現生型から化石型エネルギーへ
第四章 木と土と石のもたらすもの
文明と森林観/ 環境と建材/ ヨーロッパの木材利用/ 紙の文化圏/ 土器から陶器へ/ レンガ・タイル考/ 石材文化/ 岩石資源と景観
第五章 人と自然との接点
修景の思想/ 景観の問題/ 自然景観をめぐって/ 人間の生活のはじまり/ 文化景観への変貌/ 焼畑文化と古代文明/ 漁労と栽培/ 家畜の誕生から社会形態の定着ヘ/ 都市の起源
第六章 きびしくなる環境
都市環境の選択/ 日本の場合/ 水の扱い/ 大量取水の問題/ 高度成長の齟齬/ 自然系の認識/ 自然災害か?/ 覚悟すべきこと
第七章 産業革命以後――現代の状況
石炭の利用/ 産業革命と都市問題の生起/ 画一化・均質化の状況/ バランスを失った社会/ 環境の再編成へ/ 変化の速度と反応の速度
第八章 長い眼・広い眼・クールな眼
環境を視る眼/ 環境のなかの人間/ インターナショナルな解決
あとがき